ハツカネズミ

< ハツカネズミとは >

ハツカネズミは、ネズミ目ネズミ科ハツカネズミ属に属する哺乳類です。
日本の家庭において現れる家ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)のひとつ。

ドブネズミ クマネズミ ハツカネズミ
↑ドブネズミ(左)、クマネズミ(中)、ハツカネズミ(右)


< ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの外見での見分け方 >
まずハツカネズミは他の2種類に比べて明らかに小さいです(体長5cm〜10cm程度)。
ハムスターぐらいのサイズと言えばなんとなくイメージが湧きやすいでしょうか。
そのためすぐに判別がつきます。

ドブネズミとハツカネズミは大きさだけでは見分けがつきにくいですが、
ドブネズミのほうが体のラインがずんぐりしていて、特に腰周りがしっかりとしています。
また、ドブネズミの目は小さく、鼻先は丸め、尻尾もやや短めです。

そして見分ける最大のポイントは耳。
ドブネズミの耳は小さく耳の中が複雑な構造になっていますが、
ハツカネズミの耳は非常に大きく、逆に耳の中はドブネズミにくらべると非常に単純な構造になっています。


< ハツカネズミの身体的特徴>
ハツカネズミは、体長は5cm〜10cm程度で、我々のイメージする「ネズミの大きさ」をしています。
(ドブネズミやクマネズミはちょっとした子猫並に大きいです)
ハムスターにかなり近い大きさと体格をしていて、顔にも愛嬌があります。

体色はバリエーション豊かで、黒色、褐色、灰色、ベージュ、白と様々です。
自然の環境下においては茶色のものが割合多く見られます。
腹部は背中部分に比べて色が薄くなっていきます。

ハツカネズミの特徴として特有の臭いがあります。
これはカビの臭いに似ていて、ハツカネズミそのものから臭うのはもちろんですが、
巣や通り道になっている場所からもその臭いを感じることができるため、
ネズミを発見するためのひとつのラットサインになります。

ハツカネズミ ハツカネズミ


< ハツカネズミの生息地 >
ハツカネズミは家ネズミの中でも生息地が幅広く、
人家以外にも、林、草原、河原、田畑、砂丘などあらゆる場所に生息しています。
田舎であれば、もしかすると家の中よりは屋外で遭遇することのほうが多いかもしれません。

人家であれば人間が住むエリアよりも、物置や天井裏のような狭い場所を好みます。
普段は野外で暮らしていても、寒い時期になると家屋に住処を移すパターンも多いようです。
障害物が多い農家の納屋などは格好の住みか。
大量に繁殖して飼料・肥料を食い荒らしてしまうこともあります。


< ハツカネズミの生活と繁殖 >
ハツカネズミは乾いていて雨風がしのげる密閉空間を好みます。
そのため乾きに対する耐性は非常に強く、
船舶のコンテナのような水のない空間でもかなり長期間耐え生きることが知られています。

ハツカネズミは基本的には夜行性です。
ただし人家に適応したネズミは、夜というよりは、人がいない時間を狙って行動するものが多いようです。
ハツカネズミはそれぐらい知能が高く、適応力に優れた動物だというわけです。

生殖活動が積極的に行われるのは春と秋。
3週間程度の妊娠期間をもって、1度に2〜7匹程度の子供を産みます。
生まれた子供は12週間程度で性成熟し、次の子供を産むようになります。
成獣の寿命はだいたい1年〜2年程度です。

だいたい20日程度の妊娠期間で子供を産むということでハツカネズミという名前がつけられていますが、
実際にはほかのネズミもだいたい似たような妊娠期間になっています。
また20日単位でどんどん増えていく印象がありますが、実際には成獣に成長するまでに3ヶ月ほどかかります。
イメージで思っているほど短期間に爆発的に数を増やしていくわけではありません。

ハツカネズミ ハツカネズミ
↑実験用に使われるマウスは分類上はハツカネズミになる(右)


< ハツカネズミの食事と天敵 >
ハツカネズミは雑食性です。
より好むのは穀物や種、野菜、花などの植物性のもの。
小さな昆虫なども捕まえて捕食します。

逆に天敵になるのは、犬、猫、イタチ、ヘビ、カラスなど中型以上の鳥類です。
しかし猫を飼っていない家屋に侵入してしまうと、考えられる天敵がいなくなってしまいます。
結果的にハツカネズミにとってのパラダイスになってしまい、
その場合は彼らの大きな繁殖を許してしまうでしょう。

ネコ ヘビ

< ハツカネズミの人間に対する害 >
@衛生面での問題
ハツカネズミは、ゴミ置き場や排気口、天井裏などの汚れた場所を徘徊しています。
死肉を食べるドブネズミほどではありませんが、お世辞にも綺麗な体であるとは言えません。
ネズミが買い置きの食物をかじっていたり、キッチンの上を走り回ったり、寝ている間に人間を咬んだり、
そういったことで人間がネズミの持っている病原菌に接触してしまうことがあります。
サルモネラ菌、レプトスピラ菌、ペスト菌、鼠咬症など、発症するとかなり重症になる病気も存在するため、
ネズミぐらいと馬鹿にすることはできません。

A家財の損傷
ハツカネズミは際限なく前歯が伸び続ける生き物なので、常に何か固いものをかじって歯を削っています。
木材はもちろんのこと、無機物である壁材、プラスチック、何でもかじって破壊してしまいます。
コードなどの配線をかじられて、それが原因で火事になるケースもあります。

また、ハツカネズミに天井を寝床にされて糞や食物を撒き散らされると、
ゴキブリなど他の衛生害虫の繁殖を許してしまう可能性も高まってしまいます。

ハツカネズミ ハツカネズミ


< ハツカネズミの侵入を防ぐための対策 >
さて、ようやく本題です。

ハツカネズミは、ほかの家ネズミよりもかなりサイズが小さいので、そのぶん侵入経路も多くなります。
骨格も見た目以上に細くて小さいため、直径1cm〜2cmぐらいの穴があれば平気ですり抜けてきます。

まずはハツカネズミの屋内への侵入経路をチェックしましょう。
家の周囲をチェックして、壁材の破損箇所などのハツカネズミが侵入できそうな隙間を探し、
もしそういった隙間があった場合は、セメントや補修材で修復しましょう。

ネズミの通路になっていると思われる場所に忌避剤を設置するのも効果的です。
ネズミがその場所を嫌がって近寄らなくなるため、ネズミの侵入を防ぐことにつながります。
スプレータイプのものも市販されていて、どちらでも効果が期待できます。
ただし時間が経つと効果が薄れてしまうので、定期的な再設置が必要になります。



< すでにハツカネズミの侵入を許してしまっている場合 >
すでに屋内に侵入されている場合は、侵入経路を塞ぐだけでは足りません。
もし家の内側に巣を作られていた場合はそこで繁殖されてしまうので、駆除する必要があります。
そのための手段をいくつか紹介していきます。

@ネズミ捕獲用のワナを設置する
ネズミを物理的に捕獲する手段として使用します。
ゴキブリホイホイの巨大版のような粘着シート、箱状のマウストラップなどが市販されています。
ネズミの通り道となっていると思われる場所に設置しましょう。
ハツカネズミは興味心が強いため、比較的こういったトラップにかかりやすい傾向にあります。
個体との相性もあるので、何種類かのトラップを使い分けるとより効果がでるでしょう。




Aネズミ用の毒剤を設置する
「エンドックス」という名前の薬剤で、ネズミ退治には昔から定番の毒剤です。
ネズミの通り道になっている場所に多めに散布しておけば、
体に付着した薬剤をネズミが毛繕いすることで自ら体内に取り込み効果を発揮します。
また、エサとなる食べ物にふりかけておいたり、ダンゴを作ったりして、
直接ネズミの体内に取り込ませることも可能です。
ただしこの毒には即効性はないため、効き目を実感するには数日間の継続使用が必要になります。
散布した薬剤が減っていたら注ぎ足して、様子を見てみてください。



Bネズミが嫌がる電磁波や超音波によって撃退する
これは効果がテキメンのときもあれば、全く効かないということもあるようです。
値段はかなり安価な物からあるので一度ダメ元で試してみるのも良いかもしれません。
ただし、ずっと機械を起動し続けるとハツカネズミはこれにも慣れてしまう場合があるようです。
定期的にオン・オフを切り替えたり、別の音波装置とローテーションを組んだりするほうが
より効果が得られる場合が多いようです。



C専門業者に依頼して駆除してもらう
忌避剤、トラップ、毒剤、音波装置を使っても状況が改善されない場合は、
すでに多少の対策が意味をなさないほどに大量繁殖を許してしまっている、
もしくは薬剤に抵抗力を持ったスーパーラットが生まれてしまっている、などの可能性が考えられます。
そうなってしまった場合は素直に専門業者に依頼しましょう。
数万円単位の費用がかかってしまいますが、ネズミは本当に手ごわい相手です。
自分の手に負えないときは仕方がありません。

ハツカネズミ ハツカネズミ


< ペットとしてのハツカネズミ >
人によっては「ええっ!ネズミをペットに!?」と驚く場合もありますが、
普通にペットショップに売っていて、ハムスターに近い感覚で飼育することができます。
ペットショップで扱っているのは白い体色のアルビノ種の場合が多いようです。(たぶん見た目が可愛いという理由で)

飼い主に懐きやすくて愛らしいですが、体は強くなく、寿命は1〜2年と短めです。
そして尿の頻度が多い上に臭いが強めでトイレのしつけもできません。
あとオスとメスを両方飼う場合は同じケージに入れるとすぐに繁殖してしまうので注意が必要です。
また、ハツカネズミは必ずペットショップで購入したものを飼育してください。
野生のものは非常に不衛生で、病気を持っていたり、性格も攻撃的な場合があったりするので飼育には向いていません。


ハツカネズミ ハツカネズミ
↑横浜市にある入場無料の動物園、野毛山動物園のふれあい広場ではハツカネズミと戯れることができます。



< 近年のハツカネズミに関するニュース >
→2016年のハツカネズミのニュース
→2015年のハツカネズミのニュース
→2014年のハツカネズミのニュース